「現場のゆとりが、
人を育てる」
6社目で辿り着いた、
全員が成長できる場所
H係長
人を育てるためには、
まず現場に「ゆとり」を作る必要があった
リバテックグループのカワテックで働き始めて10年目。これまで様々な製造現場を渡り歩いてきたからこそ見えてくる「本当に働きやすい環境」とは何か。現在は機械の修理や後進の育成を担い、現場の改善に情熱を注ぐHさんに、これまでの歩みと今のカワテックの魅力を伺いました。
6社目で出会った、これまでで「一番居心地の良い場所」
私がカワテックで働き始めて、今年で10年目になります。実はここが6社目の会社なんです。
高校卒業後、最初に入ったプレスの会社では、1日中ボタンを押すだけの単調な作業がどうしても自分に合わず、1年で退職しました。その後はプラントで働いていたのですが、結婚を機に妻の家族から「少し環境を変えてみては」とアドバイスをもらい、伊賀市にある旋盤の会社へ転職しました。
その後ご縁があって別の部品メーカーに入社したのですが、私のいた工場が閉鎖され、現在の関連拠点に生産が移管されることになったんです。その大きな転換期に、当時の同僚数名と一緒に現在のカワテックへ移ってきました。嬉しいことに、私と一緒に移ってきたメンバーは今でも誰一人辞めることなく残っており、全員がしっかりと役職に就いて現場を引っ張っています。苦楽を共にしてきた仲間が活躍しているのは、本当に誇らしいですね。
これまで様々な規模の製造業を経験してきましたが、業界特有の理不尽さを感じることも少なくありませんでした。規模が大きくても現場と生産管理のコミュニケーションが全く取れていなかったり、「社内には甘く、社外には厳しい」といった体質に疑問を感じることもありました。
そうした過去の経験と比べても、今のカワテックは間違いなく「これまでで一番居心地が良い会社」だと断言できます。現在は生産ラインの最前線からは離れ、主に機械の修理や、これからの会社を担う後進の育成を任されています。
「見て盗め」はもう古い。マニュアル化と「考える力」の葛藤
育成を担当するようになってからは、毎日が試行錯誤の連続です。特に、ボルトの締め具合といった「カンとコツ」を言葉にして伝えるのは本当に難しいですね。
私自身は、「1から10まで手取り足取り教えてもらう」のではなく、「とりあえずやってみる」「1回しか教えないから見て覚えろ」という、いわゆる昔ながらの職人気質の環境で育ちました。しかし、今の若い世代にそのやり方を押し付けても通用しません。業務を細分化し、どうすれば分かりやすく伝わるかを真剣に考える必要があります。
現在、タブレットを用いた作業指導書(マニュアル)の導入を進めています。ただ、ここで私の中に一つの葛藤がありました。「すべてをマニュアル化してしまうと、社員の『自ら考える力』が失われてしまうのではないか」という懸念です。この思いは、工場長にも率直に相談しました。
もちろん、毎日行う基本作業や安全に関わる重要なポイントは、マニュアル化が絶対に不可欠です。基本をしっかり固めた上で、イレギュラーな事態が起きた時に「どう解決するか」を自分で考えられる職人を育てていきたいと思っています。
若手が「質問しやすい環境」を作るための業務改善
現在、私が最も力を入れているのは「現場で働く社員の負担軽減」です。
少し前までの現場は、機械のチョコ停(一時停止)や刃物(チップ)の交換頻度が多く、社員が常にバタバタと走り回っている状態でした。これでは、せっかく新入社員が入ってきても、忙しそうな先輩に声をかけて質問することなんてできませんよね。人を育てるためには、まず現場に「ゆとり」を作る必要があったんです。
現場の負担を軽減し、教育の時間を確保する
まずはピストンラインのチョコ停を徹底的に改善し、現場の負担を大幅に減らしました。現在はチップの交換頻度を下げるため、条件や種類を変えて寿命を延ばすトライを続けています。また、拡大鏡を使った刃先の状態確認などは思い切って他の社員に任せ、自分以外でもできることはどんどん委譲するようにしました。こうして業務改善を進めることで社員の時間を確保し、その空いた時間を使って、私が長年培ってきた修理の技術やノウハウを丁寧に教えていきたいと考えています。
自ら考え、提案できる。全員が成長できる企業文化へ
今のカワテックは、本当に働きやすい環境へと進化しました。
入社当時は「上からの指示が絶対」という雰囲気があり、現場から改善案を出しても却下されてしまうような古い体質が残っていました。しかし今は全く違います。上の人たちがしっかりと現場の「声」に耳を傾けてくれるようになりました。
今では、「これをやりたい」と提案したことは、基本的に挑戦させてもらえます。もちろん、ただやりたいだけでなく費用対効果などをしっかり出すことは求められますが、それすらも工場長が「こういう風に計算して数字を出すんだよ」と、役職に関係なく丁寧に教えてくれるんです。
ただ言われたことをこなすだけでなく、自ら課題を見つけ、提案し、将来に役立つスキルを身につけていくことができる。今のカワテックは、全員が成長できる会社になりつつあると肌で感じています。私自身、今の環境にはとても満足していますし、毎日生き生きと仕事に向き合えています。これからも、この素晴らしいチームと共に、より良い現場を作り上げていきたいですね。
【編集後記】
何度も転職を重ね、製造業の理不尽さや厳しさも経験してきたH係長。だからこそ、若手が直面する壁や不安を誰よりも理解し、寄り添うことができるのだと感じました。「若手が育たない」と嘆くのではなく、「まずは質問しやすい環境(ゆとり)を作る」と自ら業務改善に動くそのアプローチには、多くのリーダーがハッとさせられるはずです。