月間27万台の生産を支え、
次世代の育成に情熱を燃やす
S 課長
「丸暗記」ではなく「原理」を。
本当の成長を後押ししたい。
新卒でリバテックグループに入社し、会社の成長とともに歩み続けて約20年。現在は主力である第1工場を統括するS課長。
月間27万台という膨大な生産量を誇る現場で、圧倒的な品質改善を実現しながらも、彼の視線は常に「現場で働く人」に向けられています。激動の時代を乗り越え、次世代の育成に情熱を燃やすS課長に、モノづくりへの思いと現在の挑戦について伺いました。
圧倒的な生産量と、驚異の不良率0.11%
——まずは、S課長が統括されている第1工場の規模について教えてください。
現在、第1工場ではフロア全体で月間26万から27万台のアイテムを生産しています。その中でも約半分を占めるのが「タービンハブ」という製品で、特定の2品番だけで月に12万台規模になる巨大な量産ラインです。私が入社した当時は第1と第2工場しかありませんでしたが、会社の拡大とともに第3、第4、第5工場と増えていく過程をずっと見てきました。
——それだけの量を生産しながら、品質面でも大きな成果を上げられていると伺いました。
ええ、以前は0.431%程度あった不良率(保留率)を、現在は目標の0.2%を大きく下回る約0.11%まで改善することができました。ただ、自動機を使っているからこそ一番恐ろしいのは「突発的な大量不良」です。刃先の摩耗などを放置すると、一瞬で数百から数千の不良品を発生させてしまいます。また、細かい傷で保留になった製品も、そのまま捨てれば大きな赤字です。無駄を出さないよう、作業員が手直しをして良品として回収する工夫も徹底しています。数字の裏には、現場の細やかな気配りがあるんです。
「猛獣エリア」からの脱却。時代に合わせたマネジメントの模索
——長年現場を見てこられて、指導方法やマネジメントにも変化はありましたか?
以前、このエリアはK係長から「猛獣エリア」と呼ばれるほど、熱く激しい指導が飛び交っていました(笑)。遅くまでやり切らせるなど、当時の厳しい指導内容自体は間違っていなかったと今でも思っています。
ただ、今は時代が違います。当時のようなやり方は通用しません。今は「作業員のモチベーションを落とさずに、いかに安定した作業をしてもらうか」が一番の課題ですね。言われなくても動く人、言えばやってくれる人、期限を決めても進まない人と、本当にいろんなタイプがいます。一人ひとりに合わせたコミュニケーションを取りながら、日々悩み、試行錯誤しているところです。
「丸暗記」ではなく「原理」を。本当の成長を後押ししたい
現在、現場で一番の課題だと感じていることは「本格的な教育の時間が取れていないこと」です。これが本当に悔しいんです。日々の生産に追われ、今の教育は設備のチップ交換など「最低限の手順の丸暗記」にとどまってしまっています。
私が本当に教えたいのは、加工の原理やGコードなどの「根本的な知識」です。原理を理解していなければ、ミスに繋がりやすく、自分で判断する能力も養われません。逆に言えば、基礎さえしっかり教えられれば、彼らは自分で考えて作業スピードを上げたり、工具の寿命を延ばしたりできる「応用力」を身につけられるんです。なんとかまとまった時間を取って、座学からしっかり教えられる環境を作りたいと強く思っています。
若手の成長が、工場の未来を創る
——人員不足など厳しい状況もあると伺っていますが、今後の展望をお聞かせください。
どの会社も苦労されていると思いますが昨今の人手不足の影響もあり、我々の現場も余裕はありません。それでも通常レベルの生産を維持できているのは、若い人材が中心となって頑張ってくれているからです。
人のモチベーションには波がありますし、日によって作業ペースが変わることもあります。それでも、彼らが現場で仕事を覚え、少しずつ成長していく姿を見るのは嬉しいものです。基本的な安全衛生の徹底など、私たちが土台をしっかり守りながら、彼らの成長を後押ししていく。彼らが育ってくれれば、この第1工場はもっともっと良くなると確信しています。
【編集後記】
月間27万台という途方もない数字の責任を背負いながらも、S課長の口から語られるのは、現場で働くスタッフへの温かい眼差しと、教育への強い責任感でした。かつての厳しい職人気質を理解しつつも、現代に合わせた柔軟なマネジメントへアップデートし続ける姿勢に、真のリーダーシップを感じるインタビューとなりました。