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【社員インタビュー】「これ、うちで作ってる部品やん」

2026.09.03

PEOPLE / 第1工場

これ、うちで
作ってる部品やん

Tさん

箱を開けて中を見た時に、
「おお、これ、うちで作ってる部品やん」って。

お話を伺ったのは、20代半ばにアルバイトとして入社し、20数年をATのラインで過ごしてきたTさん。きっかけは「車の部品の製造」という一行の広告でした。設備が2台から30台以上に増えるまでを現場で見てきた方に、この仕事の面白さと、これから入ってくる人に必要なことをお聞きしました。

「車の部品を作っている」という広告を見て

ーー本日はよろしくお願いします。リバテックには、いつ入られたんですか。

20代半ばの頃に、アルバイトで入りました。もう20年以上前の話なので、正確にいつだったかは、正直はっきり覚えていないんです。

ーーそこから社員になられたんですね。

2、3年ほど働いた頃に、当時の上司から「社員にならへんか」と声をかけていただきました。トータルすると、20数年になります。

ーーそもそも、なぜここに応募されたんですか。

車の部品の製造、というのを広告で見たからです。もともと車が好きだったので。

ーー今も車には乗られていますか。

乗っています。マニュアルです。

箱を開けたら、自分たちが作った部品だった

ーー独身の頃は、車をいじられていたとか。

その時は、アルテッツァという車に乗っていました。エクセディのクラッチが欲しくて購入したこともあります。やっぱりエクセディのクラッチは良いですね。圧着する力が全然違います。

ーーそれは、リバテックで作っている部品も入っていたんですか?

そうです。箱を開けて中を見た時に、「おお、これ、うちで作ってる部品やん」と言って、みんなでわいわい言っていました。あれは面白かったですね。

2台だった機械が、30台以上になった

ーーこの20数年で、現場はずいぶん変わりましたか。

変わりました。まず台数の増え方が半端ないです。僕がその設備に関わり始めた頃は、まだ2台だったはずですから。今は30台以上あります。

ーー設備そのものも変わりましたか。

びっくりしたのは、液晶がカラーになっていたことですね。「おお」と思いました。

ーー生産量も違いますか。

全然違います。生産量は格段に増えました。

直せた時が、いちばん面白い

ーー仕事をしていて、面白いと感じるのはどんな時ですか。

自分に対応できる機械の不具合を、直せた時ですね。電気系まで全部直せるような人にはかないませんけど、自分にできる範囲のものが直った時は「おお」となります。

ーー最近だと、どんなことがありましたか。

ある設備で、加工の軸がずれてしまうという不具合がありました。担当者が部品を交換しても直らなかったので、僕が見に行ったんです。部品を替えて直らないということは、設備側を調整しないといけない、ということなんですね。

ーーそこは、どう判断されるんですか。

本来は一周ぐるっと回して0が出るのが普通なんですけど、設備によっては、あえて100分の1ほど狂わせないといけないものもあるんです。その設備が、まさにそれでした。

ーー直った時は、いかがでしたか。

翌日、担当者と一緒に直して、きれいに軸が出ました。ああいう時は嬉しいですね。「ここをちょっとだけずらしてやったら」というのがはまった時は、特に。

ーー設備の修理も、現場でされるんですか。

そうですね。アンプがだめになったとか、端子がおかしくなったとか、外に頼むとかなりの費用がかかるので、まず自分たちでどこが悪いのかを調べます。他の設備からアンプを持ってきて入れ替えて、それで直れば元のアンプが悪い、という具合に。どうしても内部的なところになったらお願いしますけど、自分たちでやるのが普通です。

ーー逆に、苦手な分野はありますか。

電気関係は、正直こわいです。触ったことでショートして、全部だめになったらというのがあって。昔、車をいじっていて火花が散ったことがあるんです。その時はヒューズが飛んだだけで済みましたけど、それ以来ですね。もちろん設備を直す時は、電源を落としてからやります。

今は暗算と記憶力。でも、それも変わっていく

ーーこの記事は、これから入ってくる方にも読んでもらっています。どんな人が向いていると思いますか。

難しいですね。今であれば、暗算ができる計算能力だったり、仕上げ寸法を覚えておく記憶力なども重要ですが、僕が働いてきた20数年で大きく機械側も進歩しましたし、これからも進歩するので、そのあたりを機械側で制御したり、ロボットが代替するかもしれませんね。

ーーちなみに今だと、暗算ってどういうことをされているんですか。

狙いの寸法を頭に入れて、実際に測って、その差を出すという作業が日常的にあるんです。たとえば狙いが20で、測ったら19.94だったら、いくつ補正を入れればいいか。これを頭でぱっと出せると効率よく業務ができますね。

ーー体力的な面はどうでしょう。

立ち仕事が一番です。動くといっても10メートルほどをこっちからあっちへ、あっちからこっちへの繰り返しで、座るのは休憩の時だけですから。繰り返しを飽きずにやれる人がいいと思います。

どちらが正しい、という話ではない

ーー若い方と接していて、感じることはありますか。

僕は昭和の人間なので、正直、感覚が違うなと思うことはあります。自分の中では、1から10までやり切ってから、という考え方が染みついていて。

ーーそれは、どういうことでしょう。

任されたところだけでなく、全体がどうなっているかを見て動く。そういうものだと思ってやってきました。誰かに教わったというより、自然とそうなっていた感じです。

ーー今の若い方とは、そのあたりの考え方が違いますか。

どちらが正しいという話ではないんです。任されたところだけしっかりやる、という価値観も、自分の担当外のことも積極的にやる、という価値観も、その人に合わせて認めていく必要があると思っています。

ーーそう思われるようになったのは、どうしてでしょう。

これからは若い人が入ってこないと、会社の未来がないですから。自分を今の時代に合わせていかなあかんな、というのはあります。だいぶ自分もその感覚に慣れてきたので、今ではだいぶ適応できています。

これから覚えたいこと

ーー今後、こうしていきたいということはありますか。

設備の修理を、もっと覚えていきたいです。

ーー20数年やってこられて、まだ覚えたいことがあるんですね。

ありますね。今は自分にできる範囲のものを直している段階なので、そこをもう少し広げていきたいです。直せる範囲が広がれば、その分、現場が止まらずに済みますから。

ーーまだまだ新しいことを覚えようとする意欲が、すごいですね。

いやいや、そんな大したものではないです。ただ、分からなかったことが分かるようになるのは、単純に面白いので。

ーーそうやって、ひとつずつ覚えてこられたんですね。

そうですね。教えてもらったり、実際に触らせてもらったりしながら、ひとつずつです。焦らずに、これからも覚えていければと思っています。

【編集後記】

20数年、ATのラインに立ち続けてきたTさん。
取材中に一番印象に残ったのは、どの質問にも真正面から向き合ってくださったことでした。思い出せないことは「正直はっきり覚えていない」と言い、答えられることは漏れがないように、一生懸命に言葉を探してくださる。その誠実さが、そのまま仕事の姿勢なのだろうと感じました。
自分が加工した部品が、自分の車に付いている。機械の不具合が、自分の手で直る。派手さはありませんが、確かな手応えのある仕事がここにあります。
20数年やってきて、なお「設備の修理をもっと覚えていきたい」と話す。世代の違いについては「どちらが正しいという話ではない」と言い、そのうえで「自分を今の時代に合わせていかなあかん」と話す。20数年を積み重ねてきた人のその言葉が、いちばん強く残りました。